ミャンマーで企業運営をするには不動産契約は避けては通れない。
今回は、私の実体験通して、ミャンマーで不動産に係る契約を締結する際に、必ず知っておかなくてはならないポイントについて展開していきたい。
※以下は、私のミャンマーにおける実体験を通して得たアドバイスであり、正確性について保証するものではない。参考として読み進めていただき、ビジネスに活用する際は、必ず専門家の指導を受けてほしい。
小生は大手小売業イオンの駐在員として香港、マレーシア、ベトナム、ミャンマーにトータルで12年滞在。
各国で商品部や新規合弁事業の管理担当を歴任。
現在は独立、ミャンマーの最大都市ヤンゴンに居を構え、新規事業準備している。

経済協力開発機構(OECD)はこのほど、ミャンマーの投資誘致策の強化に関する政策提言書を発表した。地権に関わる法令や紛争解決制度の整備、登記手続きの簡素化などを提案し、投資家が土地を保有しやすくする政策の実施を政府に促している。
NNAアジア経済ニュース 2020/12/02(水)
ミャンマーの不動産は取引市場が確立されておらず、その価格も合理的には決定されない。また登記や権利に係る制度も未整備であり、外国企業には非常にリスクの高いものとなっている。
そういった意味から、上記の経済協力開発機構(OECD)による地権に関わる法令や紛争解決制度の整備、登記手続きの簡素化などに対する政策提言書は大きな意味を持つ。
ミャンマーでビジネスする場合、土地や建物といった不動産に係る契約は避けて通れない。
一方で、ミャンマーは土地本位制(これは私の造語、ミャンマーチャトなる貨幣の信用性が極めて低いことから、資産は現金ではなく、土地資産に変えて保有する)と言っても良いぐらいの状況である。
しかも、不動産価格がここ数年調整機に入っているにも関わらず、土地は下がらないという「神話」をかたくなに信奉している土地オーナーも多い。
以下、ミャンマーにおける不動産取引に係る実態を整理・列挙していく。
ミャンマーにおける土地・不動産について
- すべての土地は国家に帰属(平たく言えば国のもの)。
- ミャンマー人や内資企業は60年、90年といった長期使用権を取得することができる。
- 土地の所有者と建物の所有者は同一(平たく言えば土地を借りて、その上に建物を建てれば、その建物は土地オーナーのものとなる)。
- 外国人はいかなる手段をもってしても、不動産を取得することはできない。
不動産取引のチェックポイント

- 契約書の登記に加え、取得について新聞で告知し、地域の管理委員会の承認を得る必要がある。
- 不動産の売買は登記証書によってのみ行うことができる。
- (納税を嫌う?)ミャンマーにおいては登記簿上の名義と、その土地に係る土地使用権利書と売買契約書を持つ実際のオーナーが違うことが散見される。
- 会社として、ミャンマー人を介し、土地や不動産の契約を結ぶ際には、必ず事前に土地の権利関係を弁護士に確認させる必要がある。
2012年以降のこの9年の土地価格の趨勢
- 前半で約10倍に跳ね上がり(今の土地オーナーは現在の10分の1程度の価格で取得)後半は価格調整(数パーセントの値下がり)状態であった。
- アフターコロナでいち早く経済成長トレンドに戻るミャンマーでは、将来的に中間所得層の住宅需要が旺盛なり、不動産価格の調整が進む可能性が高いと予測。
ミャンマーにおける不動産契約の特徴
- デポジットは取らないことが多い。
- 初回は5~10年契約
- 土地家賃は建設期間から要求され、1年から2年分を前払いすることが多い。
- 家賃は強気のオーナーに引きずれる形で、毎年10%近い値上げ条件を突き付けられることが多い。
ミャンマーでビジネス上、不動産に係る契約を結ぶ際には?

- 契約書で建物・備品の所有権の明確化(残念ながら建物自体は土地オーナーに渡さなければならないが、照明や空調設備など内装物所有権)
- 契約途中での解除条項の明確化(途中解約できるように)
- ローカルの不動産契約に長けた顧問弁護士の確保
などがポイントである。
繰り返しなるが、ミャンマーで不動産契約を結ぶ際には、現地の弁護士を活用することをお薦めする。
まずは日本人コミュティなどでヒヤリングし、不動産取引に精通した弁護士を紹介してもらうようにしたい。
ヤンゴンの賃料相場
※あくまでもご参考とし記すもので、その都度正確な賃料を確認してほしい。
■事務所・店舗賃料
(ヤンゴン郊外)
30~40米ドル/m²/月 ※水道光熱費、通信費、駐車場代、共益費は別
(ヤンゴン中心部)
40~60米ドル/m/月 ※水道光熱費、通信費、駐車場代、共益費は別
※最近は値下がり傾向にあるものの、日本の東京並みの家賃であることがおわかりいただけただろうか。
ミャンマーにおいては
土地オーナーとの不動産契約
YCDC(Yangon City Development Committee)による開発・営業に係るライセンス取得
を制する者が、ビジネスを制すると確信する。
※YCDCについては、今後、詳細に展開していきたい。
ミャンマーにおいても慎重かつ大胆に店舗開発を進めていきたいものである。
*****
■ミャンマー法務最前線――理論と実務〔第2版〕
武川 丈士 (著), 眞鍋 佳奈 (著), 井上 淳 (著)出版社 : 商事法務; 第2版 発売日 : 2017/9/21
本日も最後までお読みいただきまして有難うございました。
MASA


コメント