ミャンマー総選挙でNLDが圧勝
ミャンマーで2020年11月8日に行われた総選挙の最終的な開票結果が発表され、アウン・サン・スー・チー国家顧問が率いる与党NLD(国民民主連盟)が、政権交代を果たした前回5年前の選挙を上回る議席を獲得して圧勝した。
NHK NEWSWEB 2020年11月15日
また、今回の総選挙の投票率が70%を超えたと報じられている。
ここから国民の総選挙への関心がいかに強かったかがうかがい知れる。
NNAアジア経済ニュース2020/11/17(火)

特に、ミャンマー人口の約7割を占めるビルマ民族が多数を占める管区でNLDは圧勝したとのことである。
これはオランダ・ハーグの国際司法裁判所(ICJ)で開かれた公聴会でロヒンギャに対する大量虐殺を正面から否定し、国際社会が厳しい視線を送る中で「自国の問題。自分たちで解決する」と強気の姿勢を崩さないスーチー氏の根強い人気を示したものと言える。
実際ヤンゴンで生活していても、地方都市出身者に聞くと、携帯電話普及や雇用環境、電化率など身の回りの経済環境は軍部政権時代と比較して、緩やかではあるが改善したと話す人が多い。
加えて、報道によると8月からの新型コロナの感染拡大により、直近2カ月間の選挙活動が制限され、新政党には逆風となり、国民に新党が十分に認知されるに至らなかったと思われる。
NLDの第2次政権下の経済は?
ヤンゴンの友人に確認したところでは、ミャンマー国民が前回掴み取った民主化を後退させないため(可能性は極めて低いが軍事政権に逆戻りしないように)、そして経済改革を継続するために、第一次政権の課題に多少目をつぶって、NLDに投票したというのが実情のようだ。
実際にヤンゴンで生活していて、第一次政権下でNLDが革新的にこれまでにない政策を断行した例は少なかったように感じる。
外資への開放は進んだが、憲法の改正、行政改革の断行、根強く残る少数民族問題などは道半ばといえるのではないか。
第2次政権こそがNLDによる国家運営の手腕、真価が問われるといって過言ではない。
NLDの第2次政権下のミャンマー経済はどうなるのか?
コロナ感染拡大の影響は?
今回はこういった皆さんの疑問に答えていきたい。
私は大手小売業の駐在員として4年間、ヤンゴンに駐在、約50人のミャンマー人を部下として持ち、運営していました。
ミャンマーのみならず、香港・マレーシア・ベトナム等、アセアン各国に10年以上の赴任経験があります。
今、ミャンマーでは毎日、千人を超える新規コロナ患者が発生している。
ヤンゴンを中心に官民挙げて、コロナ封じ込めに全力を挙げている。
コロナ感染の制圧は、日本と同様、来年のワクチン完成を待たなければならない。
しかし、私はミャンマー経済は2021年にはアセアン諸国の中でいち早く成長軌道に戻ると予測する。ミャンマーにおいて、経済をけん引する投資がその力強い歩みを止めるとは考えにくいからである。

自動車販売は堅調
自動車産業は国の経済成長をけん引する基幹産業であり、下請けを含めた関連企業のすそ野が広く、製造業全体への影響力も大きい。
また、その販売も経済成長と強くリンクしている。
ミャンマーではコロナ下でも成長を続けている。
新車市場がコロナ下も成長、需要底堅く、2020年1~7月は2桁増
新型コロナウイルスの感染拡大により世界的に自動車需要が急減する中、ミャンマーの新車市場が堅調に推移。1~7月の販売台数は約1万1,800台と前年同期を約11%上回る。
政策金利の引き下げによる自動車ローン金利の低下に加え、輸入車では対米ドルでのチャット高が需要を後押し。(TheDailyNNAミャンマー版2020年9月3日)
コロナ禍でも、100%に近い携帯電話普及を背景にEコマース事業の拡大が著しい。
ご存じのようにミャンマーの都市部では携帯電話の普及率は100%に近い。
それを背景に
8月以降は、コロナ感染拡大による外国投資の減速は否めないが、成長を維持している。
19年度外国投資は33%増 コロナで息切れ、目標に届かず
ミャンマー投資委員会(MIC)によると、2019年度(19年10月~20年9月)の海外直接投資(FDI)認可額(ティラワ経済特区=SEZ除く)は、前年比33%増の55億2,597万米ドル(約5,828億円)だった。政府目標の58億米ドルには届かなかった。
NNAアジア経済ニュース 2020/10/15(木)
不動産市況はやや減速傾向であり、価格高騰から一転、調整期に入ったと分析されている。
不動産市況はやや減速傾向であり、価格高騰から一転、調整期に入ったと分析されている。
しかしながら、不動産の行き過ぎた価格高騰が小売・サービス業による投資の足かせとなっており、不動産の価格調整は経済成長にプラスの側面もあると思料する。
NNAアジア経済ニュース 2020/10/14(木)
【ミャンマー市場の今】ヤンゴン不動産市場概況 第7回
以上のように、ミャンマーでは、今年7月までは、コロナウイルス感染拡大の対策と同時に経済拡大を実現しているのである。
この、拡大ステージは始まったばかりであり、コロナ禍の落ち着きとともに、再度、成長基調に戻っていくものと考えられる。
しかしながら、8月18日から再びラカイン州からコロナ感染が広がり、保健・スポーツ省は、9月21日から特に感染者が多いヤンゴン管区の 28 郡区で買い物や病院に行く以外の外出自粛をほぼ全域において発令している。
ヤンゴンでは9月21日より出勤規制
新型コロナウイルスの感染が急拡大しているヤンゴンで 同9月21 日から、特定業種を除く企業の社員出勤を原則的に禁止する行動規制が敷かれた。
期限は示されておらず各社は対象業種の確認や勤務体制の変更など急な対応に追われた。
それでもミャンマー経済が2021年にはアセアン諸国の中でいち早く成長軌道に戻るとの予測は変わらないが、今後の動向を見守りたい。
NNAアジア経済ニュース 2020/09/22(火)
今後、動向を注視していきたい。
※早晩、活動制限解除され、経済を回すことにシフトしていくと思われる。
本日も最後までお読み頂きありがとうございました。
MASA


コメント