今回は
・ヤンゴン市開発委員会(以下YCDC(Yangon City Development Committee))とはどんな組織なのか?
・YCDCに対する様々な申請対応の際の留意点は?
などの疑問に答えていきたい。
イオンに入社後、店舗営業、本社スタッフを経験。
その後、駐在員として香港、マレーシア、ベトナム、ミャンマーにトータルで12年滞在。
各国で商品部や新規合弁事業の管理担当を歴任。
現在は独立、ミャンマーの最大都市ヤンゴンに居を構え、新規事業の準備中。
YCDCはミャンマー最大都市のヤンゴンの行政機関
※以下、Wikipedia, the free encyclopediaを参考にした。


YCDCはミャンマー最大都市のヤンゴンの行政機関で、同市庁舎に本部を置く約20の部署で構成されている。
ヤンゴン市長が同機関の委員長となる。
YCDCは政府から独立した機関で
- 徴税
- 各種手数料
- 各種ライセンス代
- 不動産開発
などの収入で運営されている。
また、主要な管轄分野だけでも
- 税務
- 市場
- 野犬などの動物管理および食肉処理場
- 汚染防止
- 道路・橋梁管理
- 建物ライセンス
- 水・衛生(含むゴミ処理)
などヤンゴン市民の生活に密着した重要な機能を運営している。
YCDCに対する様々な申請対応の際の留意点は?

YCDCYから建設ライセンスを取得する際
- その非効率さ
- 不透明さ
について一部から指摘されている。
確かに、同内の6つ以上の機関からの許可が必要であったり
現場対応にバラツキがあったりはする。
その結果、一般的に建設ライセンス取得の手続きが押してしまい、建設期間が2〜3年かかるケースも出てくる。
加えて、各部署のトップの権限が強く、その理解を得られない場合、全く前に進まなくなってしまう。
しかしYCDCには内部にしかわからない基準や稟議もあり、外の者(特に外国人)には知りようもないルールの積み重ねがある。
一概に指摘ばかりするのは的外れであり、かえってYCDCとの距離を広げてしまう。
また事実、YCDC組織の方々が日々、ヤンゴン市民のために懸命に努力している姿も目の当たりにしている。
それでは、建設ライセンスなどの取得の際の進め方はどうしたら良いのだろうか。
※以下は私の経験範囲からのアドバイスであり、実際に対応する場合は現地の専門家(例えばYCDCに所属していたコンサル)に確認していただきたい。
- 手続きに必要な書類と手順をミャンマー人担当者にもれなく確認させる。→これは本当に大切で、担当者の過去の限られた経験から判断し進めた場合、必ず書類や手続きの漏れや誤りがある。
- 申請書を作成したら、YCDCの窓口の担当者だけでなく、その上司格からも事前にセカンドオピニオンをもらうほうが良い。
- 地主などのステークスホルダーに対応してもらわなくてはならないことも多い。必ず良好な関係を日ごろから構築しなければならない。
- 各申請ステップに必要な時間は決まっている。無理な計画は立てず、建設が始まる前に、ゴールからの緻密な逆算スケジュールを立てなくてはならない。
- 営業ライセンスなどの場合、YCDCだけではなく、消防署や電力公社などの許可も必要になる。建設に目がいきがちだが、建設から営業までのすべてのステップを事前棚卸して、漏れのないようにしなければならない。
- 多店化を進める場合はYCDCからの会社への信頼度合いで、認可速度にも違いが出る。自社で実施している社会貢献活動などの情報もYCDCと共有しなければならない。
- 最終的にはYCDCとの交渉を積み重ねて、経験値を持つ担当者を自社内に育成しなければならない。
2021年、コロナ後にミャンマーが成長軌道に戻った後、日本や中国、韓国はもとより、タイやマレーシアなどのアセアンの先進国からの投資も加速度的に増えていくだろう。
その中でYCDCの組織もスリム化、電子化されていくものとは思料する。
しかしながら、現状は
- 基本的な手順と申請に必要な情報を確実に抑えること
- 社内にYCDCとのパイプの太いミャンマー人担当者を育成すること
が最も肝要である。
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YCDCにおける手続きは
世間一般で言われている技術的なものより
信頼できるミャンマー人担当者がYCDCとの相互信頼関係に基づき、一つ一つの手続きを漏れなく確実進めることが鉄則である。
それが最短距離でゴールにたどり着く唯一の方法である。
本日も最後までお読みいただきまして有難うございました。
MASA


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