小売業とは 経営哲学(4)イオン

小売業

今回は

小生が所属していたイオンの哲学について

学んでいければと思う。

大手小売業イオンに入社後、店舗営業、本社スタッフを経験。

その後、駐在員として香港、マレーシア、ベトナム、ミャンマーにトータルで12年滞在。

各国で商品部や新規合弁事業の管理担当を歴任。

現在は独立、ミャンマーの最大都市ヤンゴンに居を構え、新規事業の準備中。

イオンの哲学の源流

三方よし

イオンは三重県四日市にあった岡田屋が源流となった小売業である。

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四日市岡田家(フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』)

四日市岡田家 - Wikipedia

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三重県に隣接する近江国(現在の滋賀県)を本拠とし、江戸から明治時代にかけて活動した行商人は近江商人と呼ばれた。

その近江商人の哲学として「三方よし」がよく知られている。

「商売において売り手と買い手が満足するのは当然のこと、社会に貢献できてこそよい商売といえる」という理念で、「売り手によし、買い手によし、世間によし」を表す「三方よし」という考え方である。

この哲学もイオンの前身であるジャスコの「商業を通じて地域社会に貢献する」という社是に色濃く反映していた。

小嶋千鶴子氏

小嶋千鶴子氏はイオングループの元経営者で、人事担当常務など歴任、イオンのビジネス精神を築いた伝説の人物である。

ほとんど外に出てこないため、その存在はあまり知られてはいないが、その類まれなる実力と功績をたたえ、人々は彼女を「人事のレジェンド」とさえ呼ぶ。

23歳でイオンの前身・岡田屋呉服店の社長となり、戦後の混乱期を数々の手腕で乗り越え、さらに発展させた。

その後、岡田卓也氏を社長にし、支えるブレーンとなり、経営人事・戦略人事の専門家として、イオンの基礎を作った。

同氏の言葉の一部を紐解くと、

「成長の可能性と限界について、自らのイメージをどのように描いていくかということが最も大切である」「たえず勉強して知識や技術を身につけていく、そのことが自分を変え周りの人たちも変えていく」「失敗は何よりの教育のチャンスと考えなければならない」「意思決定に迷ったときには長期的にかなうかどうかで決める」

※東海友和.イオンを創った女――評伝小嶋千鶴子株式会社プレジデント社.Kindle版より引用

「部下への信頼」

「企業の発展力は人」

「人の長所をどう引き出すか」

などの哲学は小嶋氏が信奉したドラッカーの経営論にも通じる。

そして

「簡単なことが一番むつかしく、そして努力の要ること」と言っている。

私が新入社員として靴売り場に配属された時の話であるが、

小嶋氏が巡回されてきて

「この売り場に靴は全部で何足置いてあるのか?」と尋ねられた。

正直、面食らった。

そんなことは考えたこともなかった。

「在庫額は●●です」と答えたと記憶するが

「毎日、しっかりと管理していたら、すぐに答えられないとダメ」

と指導された。

当時、よく言われたのが「商品に指紋をつけよ」ということ。

すなわち、それくらい商品を毎日、丹念に触り、整理し、管理しなければ、商売はうまくいかないということだ。

その教えを胸に、次の店では、自分の担当の売場の商品を一日一回は商品整理するようにし、在庫額だけではなく、数量も確認するようにした。

すると、不思議なことにロスも減り、売上予算も何か月も連続達成し、在庫回転日数も大きく改善した。

今でも小嶋氏の教えを胸に、ビジネスで問題がおきれば、「何が問題なのか」「何が本質なのか」をいつも自問している。

平和・人間・地域

イオンには「平和」「人間」「地域」という3つの理念がある。

イオンの基本理念 | 企業情報 | イオン株式会社
「イオンの基本理念」についての説明をしています。

とくにイオンの源流の岡田屋は奨学金制度や植樹など「地域社会への貢献活動」を1960年代から実施してきた。

また、岡田屋発祥の地、四日市が1960年以降、石油化学コンビナートによる大気汚染がもたらした公害病である喘息に苦しんだ地域であることから、植樹活動をスタートさせた。

現在では、お客さまとともに進めてきた植樹本数も1000万本を超えている。

イオン環境財団の植樹事業|公益財団法人イオン環境財団
公益財団法人イオン環境財団のイオン環境財団の植樹事業のページです。イオン環境財団は、イオンの基本理念「お客さまを原点に平和を追求し、人間を尊重し、地域社会に貢献する」を思想をもとに、「植樹」「助成」「環境教育・共同研究」「顕彰」の4つの分野...

上げに儲けるな、下げに儲けよ

「上げに儲けるな、下げに儲けよ」という家訓が岡田屋にはある。

もともと岡田屋は呉服屋であったが、当時の呉服屋はかなりの商品を在庫として持っていた。

もし、価格が大暴落したら大損が出る。

岡田屋は価格が暴落したら、すぐに産地へ行って、暴落した値段で現金買いを敢行、それをまた売っていたという。

これが「上がったものは下がり、下がったものは上がる」というビジネス哲学にもつながり、イオンはバブルでも一切の不動産投資はせず、その後の大躍進につながった。

大黒柱に車をつけよ

「大黒柱に車をつけよ」は一番大切な店を大黒柱にたとえ、常に動かせるよう車をつけておけ、ということから生まれた、イオンの源流「岡田屋」の家訓である。

「世の中の変化、お客さまの変化に対して政策をどんどん変えよ」というその教えは、出店戦略「スクラップ&ビルド」や「社名変更」、「全国の地元スーパーとの連邦制経営」などに活かされている。

「大黒柱に車をつけよ」「上げに儲けるな、下げに儲けよ」「お客さま第一」「変化対応」などの源流の哲学はコロナ禍における現在にも確実に生きている。

「レジゴー」や「ネットスーパー・ドライブスルー式受け取り」などの店舗とデジタルを融合させたシステム開発にも根底にはその哲学がある。

※レジゴー:顧客自身が貸出用の専用スマートフォンで商品のバーコードをスキャンし、専用レジで会計するシステム。自身でスキャンすることで顧客のペースで買物ができる。

岡田屋そして小嶋千鶴子氏の哲学に支えられたイオンもまた、企業の形をお客さまに合わせて変化させながら、永遠の”Going concern”として生き残っていくと信じている。

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■イオンを創った女――評伝小嶋千鶴子Kindle版

東海友和(著)出版社:プレジデント社発売日:2018/10/31

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本日も最後までお読みいただきまして有難うございました。

MASA

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