こんにちはMASAです。
今回は
・ミャンマー国軍によるクーデター後の国内外の動き
・各メディアや個人的に寄せられたミャンマー国民の声
についてみていきたい。
大手小売業イオンに入社後、店舗営業、本社スタッフを経験。
その後、駐在員として香港、マレーシア、ベトナム、ミャンマーにトータルで12年滞在。
各国で商品部や新規合弁事業の管理担当を歴任。
現在は独立、ミャンマーの最大都市ヤンゴンに居を構え、新規事業の準備中。
ミャンマーの国軍によるクーデター後の国内外の動き

2月1日のミャンマー国軍によるクーデター発生後の国内外の動きを以下に整理する。
ミャンマー国内の動き
■抗議活動として、軍の関連製品の不買運動が国民の間に広がる。
■2月2日:
午後8時、住民が一斉にSNSを通じて呼びかけられた市民の抗議行動として鉦や太鼓を打ち鳴らした。「悪霊退治」を願う古くからの風習で、国民の中にたまっている不満の大きさを象徴していた。
午後9時、ネピドーの大統領府にてミンアウンフライン司令官と新閣僚による閣議が開催され以下の項目が発表。
- 11月の総選挙において連邦選挙委員会が認定した結果に対し、公正な立場の者による再調査を行う。
- 新型コロナウイルス感染症の予防接種のために海外に発注したワクチンの空輸をスムーズに行うために飛行許可を含む必要な輸送手段の確保と行動規則の策定を行う。
- 仏教寺院および他の宗教的な場所での参拝や集会について、保健省のコロナ対策規定に従って許可する事。
- 国内の観光業およびホテル宿泊業もコロナ対策規定に従って許可する事。
- ミンアウンフライン司令官は、NLD政権に対し軍事クーデターの可能性があることを繰り返し警告したにもかかわらず、軍の要求を拒否したため、このような手段を択ばざるを得なかったと語った。
■2月3日:
- アウンサンスーチー国家顧問とウィンミン大統領を逮捕、15日まで拘束決定。
- スーチー氏が携帯型無線機を違法に輸入し使用していたとして起訴。
- ウィンミン大統領も総選挙の期間中だった2020年9月に集会を開いたことが、新型コロナウイルスの感染防止措置に違反していたとして起訴。
ミンアウンライン国軍司令官兼国家統治評議会議長(以下、国軍司令官)は国内最大の経済団体、ミャンマー商工会議所連盟(UMFCCI)の幹部や傘下団体のトップと会談、各経済団体が抱える行政手続き上の諸課題に対し、解決可能なものは迅速に取り組み、必要な支援は可能な限り協力するなどと言及。関係者によると、1年という暫定行政であるため、経済政策や諸外国との関連事業などを変更するつもりはなく、従前どおり実施していくと説明。また空港の再開を指示済みと説明。
■2月4日:
ミャンマー通信情報省は、2月4日から7日までの4日間、Facebookへの接続を遮断すると声明。
■2月5日:
キリンホールディングスは今回の軍事クーデターを受けて、ミャンマー国軍関連企業との合弁事業を解消すると発表。
海外の動き
■2月1日:
(国連)
グテレス事務総長は、スーチー氏らの拘束を強く非難し、国民の意思を尊重するよう軍に要請した。
(米国)
ブリンケン米国務長官は声明で「米国は民主主義や自由、平和、発展を求めるミャンマー国民とともにある。軍部は即時に行動を撤回すべきだ」とした。
バイデン大統領はミャンマーで発生した軍事クーデターを受け、米国が「適切な行動」を取ると表明し、ミャンマーに対する制裁復活の可能性を示唆した。
(欧州連合(EU))
ミシェル大統領はツイッターに、拘束された全ての人が釈放されなければならないと投稿。「選挙の結果を尊重し、民主化のプロセスを回復する必要がある」と強調。
(オーストラリア政府)
「ミャンマー軍部が再び国の支配権を握ろうとしているとの報道を深く憂慮している」とし、不当に拘束されたスーチー氏らの即時解放を求めた。
(中国)
外務省の汪文斌副報道局長は記者会見で、ミャンマーで起きた国軍のクーデターについて「憲法に基づいて意見の違いを適切に処理し、政治と社会の安定を守るように希望する」と述べるとともに「中国はミャンマーの友好的な隣国だ」と明言。(明らかに国軍の主張を支持した声明)
【参考】
(アセアン各国)
- シンガポール、インドネシア、マレーシア、ベトナムは懸念を表明。
- タイ、カンボジア、フィリピンは「内政問題」とコメント。
- ブルネイはASEAN議長国であり、声明として「今後の状況を緊密に見守り、ミャンマー国民の意志と権益に沿って、対話、和解、そして正常な状態に戻るための働き掛けを行う」とした。
(日本)
加藤官房長官はミャンマー国軍によるクーデターを受け、会見で「民主化プロセスが損なわれる事態に重大な懸念を有している」と表明。
茂木外務大臣、ミャンマー国軍によるクーデターに関して「重大な懸念」を表明する談話を発表。
■2月2日:
(韓国)韓国政府は、最近のミャンマーの政治状況に対し、深い懸念を表明するとともに、最近の総選挙での民主主義に対するミャンマー国民の期待を尊重している旨、再確認する、と声明を発表。
■2月3日:
(日本) 加藤勝信官房長官は記者会見で、ミャンマー国軍による権力掌握について、「1日の政権幹部拘束事案発生と国軍による政権奪取を含む経緯も踏まえれば、クーデターに該当する」との認識を示す。
■2月5日:
安保理理事国は、ミャンマー国軍による非常事態宣言と政府関係者らの拘束に深い懸念を表明したが、声明案にあった「クーデターを非難する」との文言は中国の意向で削られた。
→先日のブログで申し上げたが、中国は事前にクーデターの情報をつかんでおり、欧米各国が国軍を非難する中、軍を擁護することでミャンマー政権に近づこうとしていると思われる。

【以下のサイト情報を参考とした】
ミャンマーでは最も信頼できる情報を発信する日系コンサルタント会社のトップ、役員の方々。
■ミャンマー資本市場創設メンバーが語るミャンマーの経済・投資の実際
(ミャン株・COM)
■ミャンマー・クーデター ヤンゴン在住「現地ビジネスに最も精通した日本人」の緊急リポート
ミャンマーの友人から寄せられた声

2月1日、スーチー氏は国民に対し、国軍のクーデターを受け入れずに抵抗するよう国民に訴える事前に書かれた声明をNLDのフェイスブックで表明。
また、フェイスブック社によると、クーデターに反対する「#SaveMyanmar」のハッシュタグを使ったユーザーは33万4000人を数え、リポストで拡散されたメッセージでは「われわれミャンマー市民は現在の動きに賛成しておらず、世界の指導者や国連、世界のメディアに対し、この冷酷な行動からこの国、指導者、国民を救うよう求める」などがあったとする。
このような中、我が愛するミャンマー人の友人からは以下の声が聞かれた。
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■コロナの厳しい状況で、軍政権に占拠され本当にがっかり。
また世界に責められるのが本当に問題だ。
引き続き日本からも応援が欲しい。
■Military has detained our elected democratic government,Daw Aung San Suu Kyi, party leaders and political activists in Myanmar.
This is a breach of democracy in nation and world history.Now,national television channels and phone services are cut out nationwide.
軍は、選挙で選ばれた民主主義政府であるアウンサンスーチー、党首、ミャンマーの政治活動家を拘束した。これはミャンマーと世界の歴史における民主主義の侵害だ。現在、全国のテレビチャンネルと電話サービスは遮断されている。
■国外に離れて暮らしている家族・友人とお互いに安否を確認している。スーチーさんの安否が心配だ。
■10年前の軍事政権に戻ってしまった。前より状況は悪化すると思う。
■1年後の選挙は無理だ(軍の政党が勝てない)。軍事政権が何年も続くだろう。
■若い人たちが心配だ。過激な行動に出ないでほしい。
■若い人たちの未来を奪う軍事政権が憎い。
■中国以外は制裁をしてくるだろう。また世界から孤立してしまう。
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1988年における民主化運動、2007年のサフラン革命など、国軍側の暴力的な弾圧を鮮明に記憶している国民も多数いる。
その教訓を活かし、今は「心に怒りの炎をたぎらせながらも、平静を装っている」とういう段階であろう。
国軍を許せない気持ちは強いが、流血だけは避けたい。
家族を守りたい。
たった1日ですべてが変わってしまったこの国の未来に希望が持てない。
これからの展開が見通せない。
このような、複雑な気持ちを抱えながら、次への行動静かに思案している。
これがミャンマーの皆様のお気持ちではなかろうか。
(再々)誰も傷つかないこと、ミャンマーの経済成長が止まらないことを願う
私はミャンマー国およびそこに住む多くの友人を心から愛している。
しかし、ご批判を受けるかもしれないが、前回の総選挙に係る国軍の主張が一方的にすべて誤りであるとも思われない。
今後、国軍とNLD支援者の物理的な衝突がおき、海外からの経済制裁が発動されること、そして大切なミャンマーの友人達が傷つくことは何としても避けねばならない。
そのためにも、今一度、国際社会立ち合いのもと、政権与党であるNLDのスーチー氏と国軍が冷静に話し合い、何とか解決策を見出してほしい。
始まったばかりのミャンマー経済の成長が止まらないようなバランスの取れた解決策がでることを祈るばかりである。
日本は常日頃から標榜している「官民挙げてミャンマーに寄り添う」とのポリシーの真価が問われているのではないだろうか。
中国より先に、行動を起こしてほしいと切に願う。
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【参考文献】
ウンサンスーチー政権下のミャンマー経済
工藤 年博 (著), 大木 博巳 (著), 国際貿易投資研究所 (著)
出版社 : 文眞堂 発売日 : 2020/2/10
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本日も最後までお読みいただきまして有難うございます。
MASA



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