ミャンマーとベトナムの比較

ミャンマー

こんにちはMASAです。

今回は

ミャンマーとベトナムの経済を比較し

ベトナム経済の強さとは?

ミャンマーとベトナム経済の差の理由は?

中国からの調達移管先としてはベトナム、それともミャンマー?

などの疑問に答えていく。

自己紹介

大手小売業イオンに入社後、店舗営業、本社スタッフを経験。

その後、駐在員として香港、マレーシア、ベトナム、ミャンマーにトータルで12年滞在。

各国で商品部や新規合弁事業の管理担当を歴任。

現在は独立、ミャンマーの最大都市ヤンゴンに居を構え、新規事業の準備中。

ベトナムの経済成長の推移

下記の過去10年間の実質GDPの伸長率をみてほしい。

このGDPの伸長率の推移をみていただければわかるように

2010年代前半 中国の独壇場

同中盤     ミャンマーの健闘

同後半     ベトナムの躍進

が読み取れる。

特に、近年のベトナム経済の好調ぶりは顕著だ。

世界銀行の予測によると

  • 2020年のGDP伸び率はプラス2.8%まで上積み  
  • 2021年にはプラス6.8%まで回復  
  • 2022年はプラス6.5%に達する

という。

なぜベトナム経済はこれほどまでに強いのか

なぜベトナム経済はこれほどまでに強いのか。

理由としては

  • 中国と同様に金融市場開放をせずに、ベトナムからの海外への資本の流出を厳しく取り締まり、海外金融市場の影響を最小限に抑える政策をとった。    
  • その上で次のような社会主義下での市場経済導入を進めた。インフラ建設により投資環境を整え、外国の直接投資を呼び込み経済成長のドライバーとした。
  • 韓国を筆頭に、日本、シンガポール、香港など投資を呼び込んだ。   
  • 輸出拡大を図り、同時に工業化を強力に推し進めた。

すなわち、社会主義の独裁政治による金融コントロール→インフラ整備→外資からの投資促進→輸出拡大・工業化という中国の成長を真似たような一連の流れでアジアにおける一番高い成長率を実現させたといえる。

ミャンマーとベトナム経済の差は?

ミャンマーとベトナムの違いだが

  • ハノイやホーチミン周辺部に開発した工業団地を、外国投資家に効果的にアピールを続けた。すなわち、電気・電子産業、農業機械産業、造船産業、自動車産業、農水産品加工産業、環境産業を重点育成分野とし、手続きの透明性を高め、迅速化するとともに税金の優遇措置も推進した。それに対してミャンマーは重点育成分野がぼやけており、ベトナムのような外資不動産購入規制の緩和策がとられていないとともに、絶対的な資金不足から、ティラワ以外の工業団地は有効に活用できていない。   
  • 上記の経済政策の差により、ミャンマーは衣料品の輸出割合が依然として高いのに対し、ベトナムは電気機械・音響機器や携帯パーツなどの割合が高まってきている。   
  • ミャンマーはベトナムから学び、金融政策の強化、それに基づく外資によるインフラ整備を加速させ、工業団地への投資環境を早急に改善しなければならない。また、重点投資育成分野を自動車、物流、IT、教育とし、税制面の優遇策を強力に推進しなければならない。

中国からの調達移管先としてはベトナム、それともミャンマー?

JETRO が、2019年11月に日本企業を対象に調査した結果によると、米中貿易摩擦などの保護主義に影響を受け、サプライチェーン再編を実施、または   実施予定と回答した企業数は(コロナ前で)全体の7.6%であった。

今の新型コロナの影響下では、この傾向はさらに加速して20%を超えると推定される

出所:2019年度「日本企業の海外事業展開に関するアンケート調査」(ジェトロ)

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また調達先を中国からどこにシフトさせるかについては、現状ではやはり、ベトナムがイオンフラ環境や工業資本の厚さからリードしている。

先ほど見たように、金融政策の強化、それに基づく外資によるインフラ整備を加速させ、工業団地への投資環境を早急に改善しなければならない。

ベトナムの次はミャンマー

私は微笑と慈悲の国、ミャンマーが大好きだ。

そして今、コロナや政治的な混乱で苦しんでいるミャンマーの友人たちが経済発展を成し遂げ、豊かに、そして幸せになってくれることを心より願っている。

そのためにも、争いではなく、経済発展を何より優先させる力強い政権がNLDを含め出てきてくれることを心より願っている。

【参考記事】

ミャンマーと越経済に10年の差 工業団地の整備で投資誘致に明暗

NNA ASIA アジア経済ニュース年1月27日

「ミャンマーとベトナム経済には、約10年の差がある」。大和総研は今月に発表した報告書で、こう指摘した。ベトナムが工業団地をはじめとしたインフラ整備や税制優遇によって過去数年で飛躍した一方、「ポストベトナム」をにらむ新興後発国のミャンマーは手探りが続く。

ミャンマーと越経済に10年の差 - NNA ASIA・ベトナム・経済
「ミャンマーとベトナム経済には、約10年の差がある」。大和総研は今月に発表した報告書で、こう指摘した。ベトナムが工業団地をはじめとしたインフラ整備や税制……

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【参考図書2冊】

■これからのベトナムビジネス2020Kindle版

蕪木優典 (著),實原享之 (著),工藤拓人 (著) 出版社 :東方通信社(ティ・エー・シー企画)  発売日 : 2020/2/1

■最強兵器としての地政学 Kindle版

藤井 厳喜  (著)  出版社 : ハート出版  発売日 : 2016/9/17

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本日も最後までお読みいただきまして有難うございました。

MASA

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