こんにちはMASAです。
小売業におけるチェーンストアには様々な種類がある。
※チェーンストア: 経営学的には「単一資本が自ら設置した店舗を11店以上直営している小売・飲食業」のことを指し、小規模の出資者を募って店舗を設置する経営形態であるフランチャイズ(FC)とは区別される。(引用: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
そのチェーンストアを、それぞれ異なる経営方式で分類したものが業態だ。
各業態がそれぞれの国、地域の生活・文化に合わせて、異なる展開の歴史をたどってきた。
また、私は業態にも導入→拡大→成熟→衰退のライフサイクルがあると考える。
今回は、私の実体験をもとに、日本の小売業態について整理したい。
できるだけ分かりやすい実践的な説明を心がけたい。
大手小売業イオンに入社後、店舗営業、本社スタッフを経験。
その後、駐在員として香港、マレーシア、ベトナム、ミャンマーにトータルで12年滞在。
各国で商品部や新規合弁事業の管理担当を歴任。
現在は独立、ミャンマーの最大都市ヤンゴンに居を構え、新規事業の準備中。
チェーンストアの仕組み
チェーンストアとはその資本力を背景に、店名・外観、仕入れ、サービスのなどを標準化し、多店化することによって急速な成長をはかるビジネス形態。
商品部組織で一括仕入れすることにより、取引先に対して価格交渉力を持つ。
その経営方式(業態)は多岐にわたる。
各業態について
※以下は私の実体験からの解釈も含まれており、専門家の説明と違う部分もある。
ご了承いただきたい。
Dept.(Department Stote)、百貨店

※日本における拡大期:1960年から1990年ぐらい(推定)
※代表企業: 伊勢丹、三越、高島屋、大丸、松坂屋など
百貨店を経営する資本(店舗)が多種多様な商品を部門別に配置・管理する。
各店舗はショッピングセンターとは契約形態が違い
百貨店側がその内装やVMD、仕入れなどに一定の権限を持つ。
アパレル、服飾靴鞄、インテリア、ギフト用品を中心とする品揃えで商品回転率が低い。
2000年ぐらいまでは委託販売が大半を占めたが、販売リスクを負う自主マーチャンダイジング導入する企業も増加傾向にある。
近年、法人の外商が減少し、個人を囲い込み外商で販売する構成比が上昇している。
GMS(General Merchandise Store)、総合スーパー
※日本における拡大期:1970年から1990年ぐらい(推定)
※イオン、イトーヨーカドー、ユニーなど
高度経済成長期に、消費者のニーズに対応し、ワンストップで商品を大量仕入・販売することで急成長した。
バブル後の1990年代後半に低成長時代に突入するとともに、多様化するニーズやウォンツに対応できなくなり、食品スーパー業態や家電やアパレル、ホームファションなどの専門店業態に売上を奪われた。
2000年6月の大規模小売店舗法(大店法)の廃止によって、広い用地の確保が可能なり、郊外にショッピングセンターを開発、そのアンカーテナントとしてのGMSを展開するイオングループが躍進した。
食品以外のヘルス&ビューティケアやホームファションなどの販売構成比がSM業態より高い。
※米国のGMSは食品を取り扱わず、衣料、住居余暇中心の品ぞろえとなる。
SM(Supermarket)、食品スーパー

※日本における拡大期:1970年ぐらいから現在(推定)
※マックスバリュ各社、マルエツ、カスミ、ヨークベニマル、OKストア、ヤオコー、バローなど
セルフサービスで生鮮品を含む食料品と日用雑貨などを集中レジで効率よく販売する業態。
時代の変化に応じて、重点品目やメニュー提案などの商品・マーティング戦略を進化させてきた、息の長い業態。
企業毎に「PB商品」「ディスカウント」「ハイ&ロー」「品ぞろえの幅・深さ」「ポイントカード」「メニュー提案」など政策重点が異なる。
DS(Discount Store)、ディスカウントストア
※日本における拡大期:1990年ぐらいから現在(推定)
※ドン・キホーテ、ザ・ビッグ、トライアル、MrMAXなど
※低い店舗投資とローコストオペレーションを基本に、大量仕入れ・大量出店を実施、低価格帯の品ぞろえボリュームを拡大することで支持を得た業態。
1990年代後半から、生鮮食品を加えたスーパーセンター展開が主流となった。
私は、日本においてGMSや食品スーパーも低価格路線を打ち出していることから、ディスカウントストアの価格戦略が打ち消されてしまい、業態としての存在感が薄まっていると考える。
SuC(Super Center)スーパーセンター

食品スーパーとディスカウントストアを一体化して、衣食住のフルラインの品ぞろえを1フロアに配置し、集中レジにて運営する業態。
米国のウォルマートが、この業態をスーパーセンターと呼んだ。
ウォルマートが、1988年にフランスのカルフールのハイパーマーケット業態からヒントを得て、面積や商品構成、販売方法を変革して作り上げた業態である。
ウォルマートのスーパーセンターは、1~2万㎡の売場に、衣食住約10万品目をワンフロア・集中レジで展開、エブリデー・ロープライス(EDLP、毎日が低価格)を打ち出している。
SS(Specialty Store)、専門店
※日本における拡大期:2000年ぐらいから現在(推定)
※アパレル:ユニクロ、青山商事、しまむら ホームファション:ニトリなど多種・多様な専門店業態がある。
特定の商品部門や用途・機能にフォーカスするとともに、サプライヤーの枠にとらわれず、顧客視点で広く深いアソートメントを構築している業態。
顧客管理や商品の深い専門知識などを武器に、GMSや百貨店業態のシェアを奪い続けている。
中でもユニクロやニトリなど製造小売業(SPA)と呼ばれる専門店の躍進が著しく、お客さまのニーズとウォンツを確実につかみ、高成長を続けている。
※製造小売業(SPA)
独自のブランドをもちそれに特化した専門店を営む衣料品販売業で衣料品等の販売から製造(開発)までを単一の業者が行う業態のことをSPAと言う。
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
Convenience Store(CVS)、コンビニエンスストア

※日本における拡大期:1990年ぐらいから現在(推定)
※セブン‐イレブン、ファミリーマート、ローソンで業態全体の80%以上の売上を占める。
コンビニエンスストアは年中無休、長時間営業により、小規模店舗において食品・日用雑貨を中心とした最寄品を展開する業態。
米国で発祥したのち、日本で独自に発展した。
「POS管理システム」「フランチャイズ・システム」「生活を支えるサービス(公共料金や宅配等」を特長とする。
※フランチャイズ・システム
商品やサービスについて特徴をもつ企業が、チェーンに加盟する独立店に対し、一定地域内において当該商品・サービスの独占販売権を与え、経営の方法も指導するかわりに、看板料や指導料を徴収するシステム。
コトババンクHPより引用

- チケット類や、書籍、CD 等の予約までできるマルチメディアステーション端末の設置
- ATM設置
- コピー機、FAX
- 水道や電気等の公共料金や税金の支払い
- 通信販売で買った書籍などの受け取り
- 宅配便や郵便などのサービス
など、今日ではコンビニが近くにあれば、毎日の生活に困らないレベルまで到達している。
また、現在では企業間で大きな経営力格差が存在する。
平たく言えば、セブン‐イレブンのひとり勝ちであり、1店舗当たりの日販は60万円を超え、他のファミリーマートやローソンと10万円以上の差がついている。
セブン-イレブンと他のコンビニの平均日販にこれほどの差がついている理由としては
弁当・惣菜、スイーツ等のオリジナル商品、およびプライベートブランド(PB)商品の差である。
セブン‐イレブンの「味」「品質」「品ぞろえ」が他を圧倒している。
変化対応を常とし、他のコンビニにはないオリジナル商品や新製品を毎月のように投入していく。
この継続的な商品展開力を維持することにより構築されたセブン‐イレブン「ブランド」が平均日販の差として現れている。
Drag Store(Dgs)、ドラックストア

※日本における拡大期:2000年ぐらいから現在
※ウエルシア、ツルハ、マツモトキヨシ、スギ薬局、コスモス薬品など
ドラッグストアは規制に守られた業態といえる。
医薬品販売には、薬剤師などの資格を持つ人員の配置が必要であるとともに、今でも化粧品はメーカーの力の強く、仕入れに若干の障壁が残ると言われる。
ドラッグストアはコンビニやスーパーに比べ、店舗開発に手間がかかる。
加えて、医薬品や化粧品は利益率が高く荒利が稼げることから、食料品や日用品は最安値で展開できるため、集客の武器となる。
今日では業態全体で3割以上の売上を食品から稼ぎ出している。
また、冷凍・冷蔵ケースや調理設備が売場、倉庫ともに必要な食品スーパーに比べ、店舗の初期投資が軽く、採算ベースの売上を低く抑えることができる。
近年では、コスモス薬品のように店舗管理レベルの高い企業あり、出店ペースはその衰えを知らない。
チェーンストアの今後の姿
チャーンストアには次の3つの強みがある。
- 1つ目が、多店化によるバイングパワーを背景に、マーチャンダイジングチームが集中仕入れを実施、仕入れ原価に対する大きな交渉力を持っていること。
- 2番目が店舗オペレーションと店舗開発の標準化により、店舗ごとの運営レベルを高く維持するとともに、経費コントロールが容易であること。
- 最後がPOSや顧客などからの情報を本部で一元管理し、データをもとにした経営判断をスピーディに実施すること。
この強みを活かして、各時代の小売業の王者として君臨してきた。
今後の小売業は「お客さまとの直接の接点を持っている」というチェーンストアの強みに、EC企業などがオンラインで作り上げてきたノウハウを融合させていかなくてはならない。
私は、AIなどのテクノロジーを融合し、ビジネスモデルを変革することのできるチェーンストアしか生き残ることができないと考える。
チェーンストア各社は
オフライン(リアル店舗)でオンライン(ECなど)ノウハウを活用する、というオフライン>オンライン政策をとっているところが多いが、
オンラインの販売・顧客体験改善システムに、今の店舗を活用していくという、オンライン≧オフラインのビジネスモデルへ転換していく必要がある。
そのオンライン≧オフラインはOMO(Online merges with Offline)とよばれ、丸井やFabric TokyoなどのD2C事例が報告されている。
【参考】


今後、このブログでも注目していきたい。
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本日も最後までお読みいただきまして有難うございました。
MASA


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