こんにちはMASAです。
今回は
ミャンマー断トツNo.1小売業のシティマート・ホールディングス
(以下シティマート)について
現況、その強さ、課題などを見ていきたい。
大手小売業イオンに入社後、店舗営業、本社スタッフを経験。
その後、駐在員として香港、マレーシア、ベトナム、ミャンマーにトータルで12年滞在。
各国で商品部や新規合弁事業の管理担当を歴任。
現在は独立、ミャンマーの最大都市ヤンゴンに居を構え、新規事業の準備中。
ミャンマー小売業の現状
2020年時点で約5,458万人の人口を抱え、毎年6%以上の経済成長を果たすミャンマーでは外資小売・卸業の動きが活発だ。
2018年までは、小売マーケットに参入する外資は商業省の認可取得が必要であったが、基準があいまいで、認可取得は困難を極めた。
そのため、2016年にクリエーションミャンマーグループとの合弁で進出を果たした「イオンオレンジ」以降、外資小売業の進出はなく、ミャンマー資本最大手のシティマート・ホールディングスグループが市場を独占してきた。
その流れを変えたのが商業省によって2018年5月に発表された規制緩和である。
小売業で300万米ドル、卸売業では500万米ドル以上の投資を実施すれば、外資でも100%出資を認めた。
その後の外資小売りの動きとしては
- ドイツの大手卸売業メトロ・グループのメトロ・ホールセール・ミャンマー(※ヨマ・ストラテジック・ホールディングスとの合弁)は2019年9月、ヤンゴンのダゴン郡区に本社とショールームを開店。
- タイのCPグループの卸売チェーンであるマクロを運営するサイアム・マクロは2020年3月、ヤンゴンで1号店を開店。
- イオングループはショッピングモール事業を展開するために、ミャンマーの財閥であるシュエタンとの合弁会社イオンモールミャンマーを設立、2023年の開業をめざして1号店となるショッピングモールをヤンゴン郊外のダゴンセイカンタウンシップに出店することを決定。
ミャンマー小売業No.1 シティマート

ミャンマー資本のシティマートグループは全国で180店舗以上を展開し、小売トップを走り続けている。
営業収益は公表されていないが、私は300億円に迫る勢いではないかと推定する。
シティマート傘下の業態は以下の通り。
シティマート・スーパーマーケット
中間所得層をターゲットしたシティマートの主力業態。
2020年現在、ヤンゴンに26店舗、マンダレーに3店舗を構える。
標準的な店舗面積は約500~800㎡。
オーシャンスーパーセンター
2006年に1号店をオープン。
食品、衣料品、家庭用品などのフルラインを揃えたワンストップ・ショピングセンターを2020年時点で11店展開している。標準的な店舗面積は約3,000~5,000㎡。
※ヤンゴンに5店舗、マンダレーに2店舗、ネピドーに2店舗、その他2店舗展開。
マーケットプレイス by シティマート
ヤンゴンのアッパー層をターゲットとしており、ローカルの高額所得者や外国人駐在員の取り込みに成功している。ヤンゴンに6店舗展開。
専門店業態
上記3業態内にシティベイビークラブ(ベビー用品)、シティケア(薬局)シティブックス&ミュージック(書店と音楽チェーン)、シーズンズベーカリー (焼きたてパン)などの専門店も自前で展開している。
シティエクスプレス
コンビニエンスストアチェーンは24時間営業で2019年現在で約80店舗(推定)を運営。
シティモールオンライン
2017年4月にEコマースであるCity Mall Online(https://www.citymall.com.mm)のベータ版をリリース。
その後、は2018年1月に新しいプラットフォームにアップグレード。
シティマートの強み

シティマートは他の近代的小売業を寄せ付けない、次の強みを備えている。
高い衛生管理と売場メンテナンス力
日本やシンガポール企業から衛生管理と売場メンテナンスを学び、それを不断の努力で体内化している。
毎日の来店を促す強い生鮮食品
ミャンマーにおけるモダン小売業では、野菜・果物、精肉、魚類、デリカテッセンなどの生鮮食品は最も充実しており、面積と品数では断トツのNo.1である。
それゆえ、競合店に比べ、お客さまの来店頻度が高い。
お客さまのニーズを満たすショップインショップ
シティベイビークラブ(ベビー用品)、シティケア(薬局)シティブックス&ミュージック(書店と音楽チェーン)、 シーズンズベーカリー(焼きたてパン)などの専門店も自前で展開しており、他の競合他店より、お客さまの多様なニーズを満たしている。
豊富な輸入品のラインアップ
マーケットプレイス by シティマートを中心に、フルーツやチーズ、菓子や調味料、麺類などの加工食品の輸入品のラインナップが充実しており、他を寄せ付けない。
高いブランド力
高所得者層や外国人駐在員の囲い込みに成功、高品質ブランドを確立した。
シティマートの課題

それではシティマートに死角はないのか。
私の目からは以下のような課題が見える。
- 外資小売業とのさらなる競争激化による人材の流動化。
- 自らの出店強化による人材不足。
- 外資小売業による投資の急速拡大とさらなるモータリゼーションにより、店舗の大型化・専門家・郊外化が進み、現在収益源の柱であるオーシャンスーパーセンターが苦戦に立たされる。
- コンビニの出店ペースが遅く、お荷物業態になりかねない。
これからのシティマート
しかしながら、現時点でシティマートは
- 生鮮食品の品ぞろえの幅と深さNo.1
- 高い衛生管理レベル
- 輸入食品の品ぞろえNo.1
- レジやサービスカウンターにおける高い接客レベル
など、ミャンマーで最も高い小売技術を持つ小売業であることは間違いない。
現在の双日との提携に加え、今後、どの外資小売業と手を結んでいくかが同社の大きなカギとなる。
現状のオペレーションや品ぞろえの展開状況を見ている限り、個人的にはタイなどの東南アジアや欧米の小売業より、日系の小売業との相性、補完関係が良いように思える。
期待して見守りたい。
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ミャンマー/日本企業の最後のフロンティア
関 満博 (編集) 出版社:新評論 発売日 : 2020/5/11
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本日も最後までお読みいただきまして有難うございました。
MASA


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