なぜ中国はミャンマーに活発な関係強化への働きかけをするのか?

ミャンマー

王毅国務委員兼外相は2021年1月11~16日までの日程で、ミャンマー、インドネシア、ブルネイ、フィリピン4カ国を訪問、ミャンマーを最初の訪問国に選んだ。

王毅氏は昨年11月の総選挙後、最初に訪れた外務大臣となり、「新政権(アウンサンスーチー国家顧問率いるNLD第2次政権)への期待と支援を強く示すため」の訪問と位置付けている。

なぜここまで中国は他国に先んじて、ミャンマーに猛烈なアプローチをかけるのであろうか。

今回はこの背景、理由などについて考察していきたい。

自己紹介

イオンに入社後、店舗営業、本社スタッフを経験。

その後、駐在員として香港、マレーシア、ベトナム、ミャンマーにトータルで12年滞在。

各国で商品部や新規合弁事業の管理担当を歴任。

現在は独立、ミャンマーの最大都市ヤンゴンに居を構え、新規事業の準備中。

ミャンマーに対する中国の活発な動き

以下、直近の中国のミャンマーに対する活発な動きをNNAアジア経済ニュースから拾ってみたい。

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チャウピュー鉄道の事業化調査、中国と覚書

中国、ミャンマーの両政府は10日、ミャンマー第2の都市マンダレーと西部ラカイン州のチャウピューを結ぶ鉄道の事業化調査推進に向けた覚書(MOU)を交わした。中国・ミャンマー経済回廊(CMEC)の一環として進めている中国国境の北東部シャン州ムセとマンダレーを結ぶ鉄道を延伸するため。

NNA ASIAアジア経済ニュース 2021年1月12日

チャウピュー鉄道の事業化調査、中国と覚書 - NNA ASIA・ミャンマー・運輸
中国、ミャンマーの両政府は10日、ミャンマー第2の都市マンダレーと西部ラカイン州のチャウピューを結ぶ鉄道の事業化調査推進に向けた覚書(MOU)を交わした……

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首都で疾病センターが着工、中国の協力で

ミャンマーの首都ネピドーで10日、中国政府が協力する疾病対策・研修研究センターが着工した。国営紙グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマー(電子版)が11日伝えた。同センターでは中国の医療専門家の協力の下、感染症対策に関する研修や研究が行われる。

NNAASIAアジア経済ニュース 2021年1月12日

首都で疾病センターが着工、中国の協力で - NNA ASIA・ミャンマー・医薬
ミャンマーの首都ネピドーで10日、中国政府が協力する疾病対策・研修研究センターが着工した。国営紙グローバル・ニュー・ライト・オブ・ミャンマー(電子版)が……

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中国外相が来訪、ワクチン30万回分提供表明

中国の王毅国務委員兼外相は11~12日にミャンマーを公式訪問し、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相、ウィン・ミン大統領らと会談した。新型コロナウイルスのワクチン30万回分の提供を申し出たほか、同国から西部ラカイン州をつなぐ鉄道など「一帯一路」に基づくインフラ開発の推進を協議。ミャンマーでの影響力拡大を図る姿勢を強調した。

NNA ASIAアジア経済ニュース 2021/01/14(木)

中国外相が来訪、ワクチン30万回分提供表明 - NNA ASIA・ミャンマー・政治
中国の王毅国務委員兼外相は11~12日にミャンマーを公式訪問し、アウン・サン・スー・チー国家顧問兼外相、ウィン・ミン大統領らと会談した。新型コロナウイルス……

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中国はミャンマーに対し、次から次へと、素早い打ち手を繰り出している。

中国にとってミャンマーは地政学的に最重要国

なぜここまで中国は他国に先んじて、ミャンマーに猛烈なアプローチをかけるのであろうか。

それは次の2つの理由がある。

  1. 中国にとって、約2千キロの国境を接し、インド洋に面したミャンマーは地政学的には非常に重要な国のひとつとなる。
  2. 中国が強力に推し進める「一帯一路」の主要プロジェクトもミャンマーの協力なくして成功は無い。

ランドパワー(広い国土と世界最大の人口)の中国としては、コロナ後1~3年、人や物の活発な動きが国力の源泉であるシーパワー(アメリカ(同国はランドパワーも併せ持つ)や日本)の国々の勢いが止まっている間に「一帯一路」や「東シナ海への進出」を強力に推し進めなくてはならず、そのためにはミャンマーの協力が何としても必要となる。

中国経済の現状

様々な専門家が分析しているが

現在の中国経済は「サプライチェーンの崩壊」「一帯一路の頓挫」「経済・金融の崩壊」の3点で言い表せる。

以下の記事を参照して頂きたい。

https://asia-biz-life.net/415/

これからのミャンマーの打ち手

ここからはあくまでも個人的見解だが

これからのミャンマーには次の2つの打ち手がある。

  1. ミャンマーが欧米諸国がすすめている“中国が持つ調達基地としての機能の他国シフト”を取り込むため、日本は言うまでもなく、インドやタイなどとの経済関係を強化し、海外からの投資バランスを取る。
  2. 経済成長のキードライバーとして「近代的農業の推進」「物流インフラへの投資」「自動車の組み立て工場の誘致」を加速して進める。

そのためにも、海を通らずともインドや中東まで製品を運べる地政学的強みを最大限に活かすべく、ミャンマーとして「戦略的地政学」に基づいた経済政策を明確に打ち出さなくてはならない。

ミャンマーは決して、中国で生産された調達部品や完成品の輸送ルート上の国の地位に甘んじてはならないと思料する。

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最強兵器としての地政学 Kindle版 藤井 厳喜  (著) ハート出版 発売日 : 2016/9/17

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本日も最後までお読みいただきまして有難うございました。

MASA

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